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賢者の孫  作者: 吉岡剛
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詰め寄られました

 ゲートから姿を見せたのは、イースの教皇とエルスの大統領という、この世界で三大大国と呼ばれている国の国家元首二人。


 紛れもない、世界のトップだ。


 そんな二人が、爺さんの開いたゲートから何気ない感じで姿を見せた。


 なんで?


「やっぱり二人だったか」

「あら、バレてましたの?」

「まあ、ひょっとして、という程度だがな」


 ちょっと待て。


 心当たりがあるとは聞いていたけど、何でこの面子が予測できるんだ?


 そんなヒントあったか?


 俺はそんなことを考えていたのだが、集まった皆はしばらく茫然とした後、ハッと我に返ると一斉に両膝をついて手を組み、頭を垂れた。


 この場にいる皆のほとんどは創神教徒。そこに教皇が現れたらこうなるのは当然か。


 膝まずいていないのは、俺と、二人を連れてきた爺さんとばあちゃん。それにディスおじさんとアーロン大統領だけだ。


「あら、ダメよ。今日は誕生日パーティーで、主役はこの三人でしょ? だから皆さん立ち上がってくださいな」


 膝まずいている皆にエカテリーナさんはそう言った。


 はっ。そうだった。


 これ、俺達の誕生日パーティだった。


 あまりの衝撃で忘れかけてたわ。


「折角の誕生日パーティーを私達のせいで台無しにしてしまっては心苦しいわ。私達は一参加者。そう扱って下さいな」

「フム。それでは気を取り直して、パーティを始めるとしようか。皆立ち上がってグラスを持て」


 ディスおじさんが未だに膝まずいている皆に立ち上がるように促し、パーティを始めようと言った。


「それでは、救国……いや、救世の英雄とまでなったシン君とその婚約者であるシシリーさん。そして二人の親友であるマリアさんの誕生日を祝して……乾杯!」

『か、乾杯!』


 皆戸惑いながらではあるが乾杯し、パーティが始まった。


「お誕生日おめでとう、シン君、シシリーさん、マリアさん」

「はぁ、ありがとうございます」

「あ、ありがとうございます!」

「ありがとうございます! きょ、教皇様が私の名前を……」


 シシリーとマリアは自身の信仰する宗教のトップが、わざわざ自分の誕生日にお祝いに来てくれたことに感激しているが、この二人がなんでここにいるのかイマイチ納得しきれない俺は曖昧な返事をしてしまった。


 本当になんでよ?


「おめでとうさん。こうやって話しすんのは初めてやな」

「は、はぁ。そうですね……あの、本当になんでここに?」

「ちょっと事情があるのだけれど、それは後にしましょう。まずは本題である誕生日パーティを楽しまなくちゃね」


 エカテリーナ教皇さんは、そう言ってウィンクするとアーロン大統領とディスおじさんと一緒に爺さんとばあちゃんのところに行ってしまった。


 ひとまず、この世界のトップ三人が俺達の側を離れたことで、集まっている皆が俺達のところに来れるようになった。


「おめでとう三人とも。それよりもシン。これは一体どういうことだ?」

「ありがと。っていうか知らないよ。俺も絶賛混乱中だ」

「マーリン殿とメリダ殿の威光は、他国の国家元首すらも動かすのか……」


 まあ、明らかに爺さんとばあちゃんが連れてきたしな。


 ひょっとして、最近家を空けることが多かったのは、温泉に行っていたのではなく、二人に会いに行っていたのではないだろうか?


「おめでとうシン君、シシリー、マリアちゃん。それにしても……娘の誕生日に教皇猊下がお見えになるとはな……」

「本当に、セシリアやシルビアが聞いたら残念がるでしょうね」

「それって、私だけ参加していたら後から文句言われませんか?」


 セシルさんは感慨深そうにつぶやき、アイリーンさんは作戦行動中で帰還することができなかったセシリアお義姉さんやシルビアお義姉さんが羨ましがるだろうと言う。


 そして、その言葉に、シシリーの兄でウォルフォード商会の代表でもあるロイスさんが戦々恐々としている。


 どんだけ妹が怖いんだ……。


 その後も、次々と祝いの言葉を頂き、いよいよプレゼントを頂ける段になった。


 マリアには、お洒落小物系のプレゼントが多く、俺も似たようなものだった。


 というか、一般人が思いもよらない物を自分で作ってしまうから、プレゼントを選ぶのに一番困ったと口々に言われてしまった。


 そう言われても……皆から貰った物ならなんでも嬉しいんだけど、贈る側からするとそうはいかないらしい。


 そしてシシリーなのだが……なぜか皆、ベビー用品をプレゼントに選んで贈るケースが相次いだ。


 皆から次々に贈られるベビー服や、玩具など、あまりにも先走ったプレゼントにシシリーの顔はもう真っ赤っかだ。


「あぅあぅ……」

「ちょっと! 皆先走り過ぎだろ!」

「そうですか? もうすぐ例の事態も終息するようですし、そうなればお二人は夫婦となるのでしょう? すぐじゃありませんか」


 赤ちゃん用のドレスを贈ってきたエリーが、不思議そうな顔をしながらそう言ってきた。


 っていうか……。


「それを言ったらエリーもじゃねえか」

「……そうでしたわ。シシリーさんの恥ずかしがる顔が見たい一心で、すっかり忘れておりました……」


 ウチの女子連中に染まり過ぎだろ、この公爵令嬢!


 皆を見てみると、生温かい笑顔なんだか、ニヤニヤしてんだか分かんない顔をしてやがるし。


「あ、あのシン君、これどうしましょう?」


 顔どころか首筋まで真っ赤になりながら、皆のプレゼントをどうしようかと訊ねてくるシシリー。


 どうしようって……。


「ありがたく頂いておけばいいんじゃない? そのうち必要になるだろうし……ね?」

「シン君……はい!」


 真っ赤な顔に潤んだ瞳で俺をみながらにっこり笑うと、贈られたプレゼントを手に取り何やらトリップし始めた。


「最初は男の子? ううん女の子もいいかも……」


 シシリーの思考は、既に未来にトリップしてしまったようだ。


「凄いですね、ウォルフォード君。その歳で、アッサリ子供のことまで受け入れるなんて……」


 そう言ったのはリリアさんだ。


 トニーが既に相当稼いでいると言っても、結婚まで考えられなかった子だからな。


 既に結婚することは決定で、その流れで子供ができることまで受け入れていることが信じられないんだろう。


 皆同い年だしな。


「そういえば、ばあちゃんと話しできた?」

「む! むむむ、無理ですよう! メリダ様のおそばには陛下と教皇猊下と大統領閣下がいらっしゃるんですよ!? なんですか、あの異空間!」


 いち女子学生に、あの場に突撃して挨拶してこいってのは酷な話か。


 本当に、なんでここにいるんだろうな?


「そ、それより、私はウォルフォード君がお二人に用意したプレゼントも気になります」

「は! そうでした! シン殿! 一体何を作ったんですか!?」


 話題を逸らしたのか、本当に気になっていたのかは分からないが、リリアさんは俺が用意したプレゼントが気になるという。


 そして、それを思い出したトールに詰め寄られた。


「ト、トール落ち着け。マークにあげたプレゼントだって、変な物じゃなかっただろう?」

「それはまあ、確かにそうでしたけど……」

「二人へのプレゼントもそうだよ。多分出回ってないものだろうけど、既存の職人の職を奪うようなものじゃないって」

「本当ですか?」

「という訳で、二人に用意したのは……」

「ちょっと待って!」


 トールに詰め寄られたタイミングでプレゼントを出そうとすると、マリアからストップがかかった。


「どうした? マリア」

「いや、私らが先に渡していい?」

「いいけど、なんで?」

「シンの後からは出しにくい!」


 招待客達は不思議そうな顔をしていたが、チームの面々は「あー分かる」と言った表情で頷いていた。


「それじゃあ、私からね。はい、コレ」


 そう言って渡されたのは小さい箱。


 なんでも、革のブレスレットらしい。


「シンってこういうの好きそうじゃない。魔道具でなくていいから、そこそこ素材の良いやつにしといたわ」

「お、マジか。ありがとう!」

「どういたしまして」

「あ、あの……私からも……」


 そう言ってシシリーがくれたのはマリアのものよりもう少し小さい箱。


「ありがとうシシリー。これって?」

「あの……指輪です。シン君からはいくつか頂きましたけど、私からあげたことないなあって思って」

「そっか。開けていい?」

「は、はい!」


 シシリーの了解を貰って箱を開ける。


 中から出てきたのは、ちょっと幅の広めのシルバーリングだった。


「おお! 格好いい! ありがとうシシリー!」

「喜んでもらえて良かったです。それで、あの……」

「ん?」


 格好いいデザインが気に入りシシリーにお礼を言うと、ホッとした表情をした後に少し言い淀んだ。


「あの……お揃いです」


 そう言って、左手の中指に嵌っている指輪を見せてくれた。


 俺の物より細いがデザインは同じ指輪が嵌められていた。


 ナニコレ? メッチャ嬉しい!


「お揃いか……そういえば、そういうのなかったな。ありがとうシシリー。凄く嬉しいよ」

「えへへ……良かった」


 そう言ってはにかむシシリーは可愛くて、愛おしくて……。


「あっ……」


 俺はシシリーを抱き寄せてしまった。


「ありがとうシシリー……メッチャ嬉しい」

「あ、シン君……」


 自分とお揃いのプレゼントを用意してくれたことが嬉しくて、愛しさが溢れてしまった。


 シシリーと見つめ合い、次第に顔が近付いていき……。


「突発的に盛るんじゃないよ! このお馬鹿!」

「あいたっ!?」


 後頭部に受けた衝撃で我に返ると、いつの間にそこに来たのか、ばあちゃんが拳骨を握りしめて背後に立っていた。


「こんな大勢いる前で乳繰り合うんじゃないよ! まったく!」


 やっべ。今日は今までにない位人もいるし、シシリーの両親にお義兄さんまでいる。


 そんな中でやっちまったよ!


「はぁう!」


 シシリーは恥ずかしさで周りが見れないのか、俺の胸に顔を埋めてしまった。


 この癖はなんとかしなければ。


 その内、街中で『ピー』なことをやりかねないな……。


「えーっと。そ、それじゃあ、俺のプレゼントも受け取ってもらおうかな」


 そう言ってやっちまったことを誤魔化し、異空間収納から取り出したのは、二人の物よりも少し大き目の箱。


 中身は両方とも同じものだ。


「ちょっと大きいわね。コレ何?」

「説明するよ。開けてみて」

「は……はい!」


 マリアと、なんとか復活したシシリーがラッピングを解き、箱を開けた。


 中に入っているのは二つ。


「ブラシ? と……棒? 板? ナニコレ?」

「使い方を説明するよ。二人とも椅子に座ってくれる?」


 そう二人に促し、椅子に座ってもらう。


「髪をセットしないでって言ったのは、この場でセットするからだよ」

「この場で?」


 二人に送ったのは『ブラシ付きドライヤー』と『ヘアアイロン』だ。


 風呂が普通に普及しているこの世界に、ドライヤーはある。


 だがそれは設置型で、ただ温風を出すだけのものである。


 ブラシ付きドライヤーやヘアアイロンは存在していなかったのだ。


 なので、一家に一台はあるけど、そうそう買い替えるものではなく、それを主産業にしている職人はいないとのことだったので今回はこれを作ることに決め、お洒落にも気を遣うであろう女子二人に、この二つをプレゼントしたのだ。


「髪? ブラシは分かるけど、ブラシを魔道具化したの?」


 やっぱり使い方が分からないらしい。


 マリーカさんに事前にサンプルを渡しておいて良かった。


「若奥様、マリア様。私はシン様よりこちらの使用方法を伺っております。御髪を整えさせて頂いてよろしいですか?」

「え? そうなんですか?」

「用意周到ね……じゃあお願いするわ」

「かしこまりました」


 マリーカさんはそう言うと、二人に送った魔道具を手に取った。


「こちらは起動しますと温風がでます。こちらは、この留め金を外すとこのように髪をはさむことができるようになります」


 魔道具を起動させながら使い方を説明する。


「このブラシ付きドライヤーは、髪を自在にセットすることができるのです。このように……」


 マリーカさんは、まずマリアの髪をブラシ付きドライヤーを使ってセットし始めた。


 さすが女性。みるみるうちにマリアの髪がふんわりとセットされていった。


「わ! わ! 凄いコレ! ね、私もやってみていい?」

「ええ、どうぞ」


 マリーカさんからブラシ付きドライヤーを受け取り、自分で髪をいじり始めた。


「おお~! 凄い! 簡単に綺麗にセットできる!」


 マリアは自分で使いながら感動している。


 さて、次はもう一つのヘアアイロンを使ってシシリーをセットしよう。


「こちらはこのコテの部分が熱を持ちます。そして髪を挟んで……」

「あ、髪が……信じられないくらい真っ直ぐに……」


 シシリーも自分の髪がヘアアイロンで真っ直ぐに伸ばされていくことに目を見開いている。


 全体的に真っ直ぐにした後は、髪をアップにし、最後にヘアアイロンでもうひと手間加える。


 横に垂れている髪をヘアアイロンで挟み巻き付けていくと、実に綺麗に巻き髪ができた。


「こ、こんな簡単に! 凄いですシン君! ありがとうございます!」

「ありがとうシン! こんな凄いもの、初めてプレゼントされたわ!」


 良かった。二人とも気に入ってくれたようだ。


「これなら全くの新商品だし、既存の業者ともかち合わないだろ?」

「それはそうですが……本当に、シン殿の頭の中はどうなっているのですか? よくもまあ、次から次へと……」


 頭の中には前世の記憶が詰まっております。


 そんなことは言えるはずもないので、笑ってごまかそうとするが、途端に背筋に寒気が走った。


 なんだ!?


 そう思って周りを見てみると……。


「シンさん! なんですの!? なんですのそれはあ!?」

「ウォルフォード君! 私もぉ! 私もそれ欲しいぃ!」


 目をギラつかせた女性陣に取り囲まれておりました。


「え? ちょ……ちょっとま……」


 制止する間もなく、女性陣に詰め寄られてしまった。


 こ、こわいよ!


「シン君! 私にも! 私にも頂けないかしらあ!?」


 そして、教皇さんまで参戦してくんじゃねえよ!


「はあ、ふう……ごめんなさい、取り乱してしまったわ」

「い、いえ……それはいいですけど」

「この魔道具は魅力的だわ! 販売する予定はないのかしら?」

「工房では既に量産体制に入ってますよ。まあ、ここで皆さんにあげちゃうと誕生日プレゼントの意味が無くなっちゃうので、皆さんは購入して下さいね」

「いつ!? いつ発売するんですの!?」


 ゆるふわの髪型をしているからか、さっきからエリーの食いつきが凄い。


「まだ発売前だけど、ここにいる皆には先行で販売するよ。希望者は……女性陣全員ね……」


 希望者はのところで女性陣が全員手を上げた。


 中にはロイスさんの手も上がっている。


 なぜ?


「妹たちの分を確保しておかないと、何をされ……言われるか分からないから……」


 いやいや。あなた、ウォルフォード商会の代表でしょうが。自分の商会で売るんだから……。


 そう思ったが、若干遠い目をしているロイスさんにそんなこと言えるはずもないので、心の内にしまっておく。


 本当にお義姉さん二人が怖いんだな……。


 それにしても、女性には売れると親父さんのお墨付きは貰ってたけど、これは予想以上だったな。


 また工房拡張しないといけなくなるかも……。


「オホン! それじゃあ最後に私達からのプレゼントね」


 そう言ってエカテリーナ教皇さんが取り出したのはラッピングされた小さい箱だった。


「え? 教皇猊下からもですか!?」

「わあ……ありがとうございます!」


 まさか自分が信仰する宗教のトップからプレゼントを貰えるとは夢にも思っていなかったんだろう。


 マリアもシシリーも驚きながらも凄く嬉しそうだ。


「ウフフ。開けてみて?」

「「は、はい!」」


 エカテリーナさんに催促され、早速プレゼントを開封する二人。


 俺だけ開封しないのもおかしな話なので、俺も一緒に開封する。


 すると、小さい箱には星を型どったエンブレムが出てきた。


 首から提げられるようにチェーンも付いてる。


「「こ、これは!?」」


 ナニコレ?


「コレはねえ、私が直接祝福を与えたエンブレムよ。大切にしてね?」

「エンブレム自体は、俺が用意した最高級の素材で作ったんやで」

「「……」」


 あ、なるほど。


 某宗教で言うところの十字架みたいなもんか。


 コッチの世界の宗教で同じ十字架とかおかしいもんな。


 多分、創神教の教会にはこのエンブレムが掲げられているんだろう。


 行ったことないから知りませんけど!


 ということは、コレは教徒なら皆が当たり前に持っている物なんだろうな。


 そう思って二人を見てみると……。


 あ、感激して涙目になってる。


「こんな……こんな素晴らしいものを……」

「ありがとうございます! 一生大事にします!」


 シシリーは、あまりの嬉しさに声を失い、マリアは一生大事にすると誓っていた。


「……シン君は、あんまり喜んでくれないのね?」

「え? ああ、いや、そんなことは……」

「この子には、宗教のことは教えなんだからのう」

「神様みたいな不確かなもんに頼るより、自分で道を切り拓いて貰いたかったからね」

「し……メリダ殿、不確かって……」


 ばあちゃん……それ、宗教のトップに言っていい台詞じゃないよね?


「信仰自体を否定している訳じゃないさ。人間には精神の拠り所が必要だからね。ただ、この子はそんなものにすがらなくても道を切り拓いていけるだけの力と精神力があった。だから教えなかった。それだけさね」


 おおう。なんか、ばあちゃんに全部見透かされてるような気がするな。


 でも、それだけよく見てくれていたってことなんだろうな。


 ちょっと嬉しい。


 さて、皆の挨拶も終わったし、プレゼントも貰った。


 そろそろ、何でこの二人がここにいるのか説明してもらおうかな。


「あの、教皇様。ちょっといいですか?」

「あら教皇様なんて堅苦しい言い方しないで、エカテリーナさんって呼んで良いのよ?」

「え?」


 いいのか?

 

 そう思って皆を見ると、全力で首を横に振っていた。


 やっぱり駄目か。


「あの、それはちょっと……」

「そう? 本当にいいのだけれど……まあいいわ。それで? 何かしら?」

「あの……お二人はじいちゃんとばあちゃんの知り合いみたいですけど……それでも、なぜここに来ているんですか? さっき事情があるみたいなこと言ってましたけど……」


 俺は、エカテリーナ教皇さんに直球で聞いてみた。


 すると、エカテリーナ教皇さんは、アーロン大統領、ディスおじさんと目くばせをした後……。


「ごめんなさい」

「すまんかった」

「申し訳ない」


 三人揃って頭を下げた。


 三大大国の国家元首が揃って頭を下げる光景に、会場の空気が凍り付いた。


 え? なに?

 


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